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月別アーカイブ: 2025年6月

建築板金雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社銅春、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~一人前までの道のり~

ということで、建築板金の現場で働く若者が、職人として自立するまでのステップを、リアルに解説していきます。

 

建築板金は、屋根や外壁、雨樋、笠木などを金属で加工・施工する仕事です。雨風を防ぎ、美観を整え、建物の寿命を守る「職人技」が求められます。その一方で、機械では代替できない“現場対応力”が重要なため、一人前になるまでには時間と経験、そして精神的な成長が不可欠です。


1. 【初期段階】道具と材料に慣れる“修業の入口”

■ 作業環境と材料の理解

  • 金切りばさみ、ハンマー、折り機、ハゼ締め機などの名称と用途を覚える

  • 材料(ガルバリウム鋼板、銅板、ステンレス板など)の特性を体感する

■ 現場での“動き方”を学ぶ

  • 資材の運搬や清掃、職人の補助作業

  • 脚立・足場での安全な動き方、熱中症対策など体力管理

目標:「言われる前に動ける」状態を目指すこと


2. 【中期段階】加工と施工の“基本技術”を習得

■ 加工の基本

  • 簡単な曲げ、切断、穴あけ、ハゼ折り

  • 展開図をもとに、材料をどう加工するかイメージする力

■ 施工の基本

  • 屋根の葺き方(立平葺き、瓦棒葺き、横葺きなど)や、外壁の張り方

  • 雨仕舞い(防水納まり)を理解し、水の流れを読む力を育む

目標:「自分の手で一つの役物をつくれる」ことが大きな自信に


3. 【応用段階】段取りと“現場判断力”を身につける

■ 応用加工と精密な施工

  • 曲面への施工、狭所や高所での施工

  • 美観と精度の両立:目地の通り・角度・仕上げの美しさを追求

■ 段取りと段階管理

  • 材料の拾い出し(見積図からの数量確認)

  • 他職種(大工、左官、塗装など)との連携と工程調整

目標:「図面から納まりを想像し、自分の判断で動ける」こと


4. 【一人前の定義】美しさ・速さ・信頼を兼ね備える存在

■ 技術力

  • どんな形状・条件でも正確・美しく仕上げられる加工力と施工力

  • 「雨漏りさせない」「見た目を整える」ための確実な納まり判断

■ 段取り力とリーダーシップ

  • 資材手配、後輩の指導、現場の進捗管理

  • クレームやトラブル時の冷静な対処

■ 信頼の積み重ね

  • 現場監督・設計士・施主からの「任せても大丈夫」という評価

一人前とは:技術を超えた“人間力”が伴って初めて成り立つ


5. 一人前までの期間と心構え

  • 一般的には3〜7年程度で一人前とされる

  • 「教わる」から「考える」「教える」へと意識を変えていくことが鍵

  • 失敗を恐れず、謙虚に学び続ける姿勢が何よりも大切


おわりに

建築板金の道は、地味で過酷に思えるかもしれません。しかしその仕事には、一棟一棟に自分の技が刻まれ、何十年も建物を守り続けるという誇りがあります。

 

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建築板金雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社銅春、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~3D図面~

ということで、建築板金における3D図面の導入が現場にもたらす影響と未来展望を、実務レベルから掘り下げてご紹介します。

 

屋根や外壁、雨樋など、私たちの暮らしを雨風から守る「建築板金」。その加工・施工には熟練した技と正確な設計が求められます。そんな板金業界にも、近年“3D図面(3D CAD)”という新しいツールが急速に広がりつつあります。


1. 建築板金とは?現場で求められる精度と判断力

■ 建築板金の概要

  • 薄い金属板(ガルバリウム、銅板、ステンレスなど)を加工・取り付けし、建物の防水・装飾機能を果たす仕事

  • 屋根・外壁の仕上げ、雨樋、笠木、谷樋など多岐にわたる

  • ミリ単位の調整力と“現場対応力”が命


2. なぜ今「3D図面」なのか?

■ 施工精度の向上

  • 折り曲げ・接合・勾配処理などの細部が立体的に表現できる

  • 加工前に“納まりの確認”が正確に可能

■ 加工ミス・現場トラブルの削減

  • 平面図では見えにくい「干渉」「角度のズレ」「重なり」を事前に把握

  • 材料取り・展開図作成にも役立つため、板金加工の効率が大幅アップ

■ 職人と設計者の“共通認識ツール”

  • 手書きスケッチや口頭説明に頼らず、視覚的に伝えられる

  • 若手や外国人技能者との“技術共有”にも効果的


3. 実務での活用例とメリット

■ ソフトと連携した板金展開図の作成

  • AutoCAD、SolidWorks、Rhino、Fusion 360などの3D CADを活用

  • 立体モデルから板取り図(フラット展開)へ変換可能

■ 高所や曲面での施工に対応

  • ドーム屋根、アール壁、複雑な谷樋などに対し、正確な寸法・角度で製作指示が可能

  • 精度が要求される「ゼロクリアランス施工」にも対応


4. 現場導入の課題と乗り越え方

■ 現場の“紙図面文化”とのギャップ

  • タブレットやPCでの閲覧に慣れていない職人も

  • 対応策:印刷できる3D断面図や、簡易ビューワーの活用

■ ソフト習得のコストと時間

  • 小規模業者ではCAD人材の育成が課題

  • 対応策:外注との連携・操作の部分外注・クラウドCADの活用


5. 今後の展望:デジタル板金の可能性

■ スマート建築と板金の融合

  • BIM(建築情報モデリング)と連携することで、他工種との納まり連携がスムーズに

  • 建築全体の「施工前検証」においても板金が“見える化”される

■ AI・自動展開の進化

  • 3Dモデルから自動で切断・曲げデータを生成する技術の発展

  • プレカット+現場対応という「半自動施工」の時代へ


建築板金の世界は、“手仕事の美”と“デジタルの力”が共存できる希少な分野です。3D図面を導入することで、設計の精度、加工の効率、施工の安全が大きく向上します。職人技術と最新技術が手を取り合うことで、未来の建築はより美しく、より合理的になっていくでしょう。

 

 

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