
皆さんこんにちは!
有限会社銅春、更新担当の中西です。
さて今回は
~設計~
ということで、今回は、「建築板金工事における設計とは何か?」という基本から、その目的・設計手順・注意点・設計と施工の連携のポイントまでを、ご紹介♪
板金工事というと「施工技術が命」と思われがちですが、実際は“設計段階での質”が工事全体の成功を左右する場面が少なくありません。
特に雨仕舞や納まりの不具合、施工ミスや美観トラブルの原因は、設計情報の不備や曖昧さにあることが非常に多いのです。
建築板金工事における「設計」とは、建物の屋根や外壁、笠木、雨樋、水切りなどに使用される薄板金属の種類・寸法・納まり・固定方法などを事前に決定し、図面・仕様書・施工計画に反映する作業を指します。
板金工事は「現場で加工すればよい」という考えもありますが、実際には以下のようなリスクが伴います
調整スペースが少ない → 誤差が仕上がりに直結
現場判断での加工 → 雨仕舞の不備や防水不良
他工種との納まり不良 → 干渉・段差・美観低下
📌 つまり、板金工事において設計とは、「施工のための準備図面」であり、雨・風・熱・劣化に耐えるディテールを論理的に構成する作業なのです。
屋根:立平葺き、瓦棒葺き、横葺き、折板屋根
外壁:スパンドレル、角波、サイディング下見板金
付属部材:笠木、ケラバ、軒先、雨押え、水切り、ドレン、雨樋
🛠️ それぞれに適した材質(ガルバリウム鋼板、カラー鋼板、ステンレスなど)と厚み、表面処理を選定します。
最低勾配(例:立平葺きなら2.5寸以上)を確認
棟・軒・ケラバ・谷部分の水の流れと重ね方向を考慮
立上り高さ(150mm以上)とシーリング不要な構成を目指す
🌧️ 「水が入らないように設計する」のではなく、「水が入っても抜けるように設計する」のが板金の真髄。
平面図・断面図・役物展開図の作成
笠木の納まり/外壁とサッシの取り合い/屋根と外壁の収まりなどを図示
実際の折り加工・ハゼ形状・重ね寸法・固定ピッチを反映
📐 2Dの平面ではなく、3D的な思考と経験が求められる領域です。
長尺材の配置・ロス材の最小化を考慮
現場加工 or 工場プレカットの判断
曲げ角度・折り返し・クリアランス(熱膨張対策)の指示
🔧 板金はミリ単位での誤差が“目に見えるズレ”となるため、板取図の精度が仕上がりの鍵になります。
サッシ・躯体・防水・外壁材との取り合い調整
電気・設備配管との干渉リスク確認
足場の必要性と施工順序(雨樋→外壁→仕上げなど)
📋 建築全体の工程における**“板金の位置づけ”を理解した設計**が必要です。
ケラバ、笠木、サッシ取り合いでの防水切れ
水の流れを考慮しない重ね順設計
シーリング依存の納まり
👉 重ね方向・立上り高さ・通気層の有無を見直すことで防げます。
長尺板金(特に立平葺き屋根)で膨張逃げがなく板が波打つ・音鳴り
ハゼ固定方法・ビスピッチの不適切設計
👉 膨張率を考慮したスライド機構の導入や施工手順の見直しが重要です。
板の曲がり・斜め納め・役物と本体の色違い
出隅・入隅のR寸法不一致
👉 これは**「板金の見た目」に対する設計者の理解不足**が原因で起こるケースが多いです。
複雑な屋根・外装形状を3Dモデルで確認・共有
板金納まりのシミュレーション
干渉チェックの自動化
💻 「CAD止まり」ではなく、“3Dで納まりが見える設計”が主流になりつつあります。
高耐候性鋼板(フッ素樹脂系)や遮熱鋼板の選定
雨水再利用との連携設計(雨樋・ドレン計画)
雪国・塩害地域への材料配慮
🌍 「環境に強く、長持ちする板金設計」こそが、未来の標準です。
建築板金は、建物の外装を仕上げるだけではありません。
それは「水の流れ」「熱の動き」「建物の寿命」と対話する仕事です。
雨がどう動くか
板金がどう収まるか
他の材料とどうつながるか
それを正確に理解し、図面という言葉に変えて現場に伝える。
それが、私たちが考える「建築板金設計の使命」です。
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