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建築板金雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社銅春、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~多様化~

建築板金と聞くと、かつては「トタン屋根」や「雨どいの施工」を連想する方も多いかもしれません。しかし近年、建築板金の領域は大きく進化し、多様な建物・材料・技術へと広がりを見せています。

金属という素材の可能性を最大限に活かすその仕事は、いまや“外装の芸術”とも言える存在になりつつあります。

建築板金における「多様化」の現状を、技術・素材・デザイン・働き方の視点から深掘りしていきます。


1. 施工対象の多様化:屋根から外壁、そして内装まで

かつて建築板金の主な役割は、雨仕舞いや屋根・外壁の水密性を高めることでしたが、現在では施工対象が大きく広がっています。

  • 屋根工事(瓦棒葺き・立平葺き・折板屋根など)
     気候や勾配に応じた多様な屋根工法に対応。

  • 外壁・ファサードパネル
     軽量で高耐久の金属パネルを使ったデザイン性の高い外装。

  • 内装装飾・インテリア金属加工
     商業施設や店舗で使われる金属パネルの内装意匠施工。

  • 樋(とい)・フード・笠木などの板金加工
     建物の機能を支えるさまざまなディテールに関与。

こうして、建築板金の“守備範囲”は、もはや建物全体に広がっているのです。


2. 素材の多様化:伝統素材から次世代金属まで

一昔前は「トタン(亜鉛メッキ鋼板)」が主流でしたが、現在ではさまざまな金属が選択肢として登場しています。

  • ガルバリウム鋼板:耐久性・耐食性・軽量性に優れ、現代住宅の定番素材に。

  • ステンレス:公共施設や工場で使われる高耐候・高強度素材。

  • 銅板・チタン・アルミ:意匠性や加工性を重視した高級建築に使用。

  • カラー鋼板やフッ素樹脂焼付塗装材:色や質感の自由度が高く、デザインの幅が拡大。

これら多彩な素材に対応するため、施工者の知識や加工技術もより専門化・高難度化しています。


3. デザインニーズの多様化:建築意匠との融合

建築板金は、機能性だけでなく「見た目」の美しさが強く求められる時代に入りました。

  • シームレスな納まり:ビスや継ぎ目を隠した仕上げが求められる。

  • 複雑な形状への対応:曲面や斜面など、建築家の意匠に応じた柔軟な施工。

  • サステナブルな外観素材:リサイクル可能でメンテナンス性の高い外装材が注目。

これにより、板金職人は単なる“施工者”ではなく、建築デザイナーと並ぶ“仕上げの演出家”としての役割も担うようになっています。


4. 工法・技術の多様化:現場と工場、手仕事とデジタルの融合

施工方法も大きく多様化・進化しています。

  • 工場加工と現場施工のハイブリッド:プレカットやロール成型機による部材加工が進み、現場では短時間で高精度な施工が可能に。

  • 折り・曲げ・接合の技術革新:伝統の“手折り”技術に加え、NCベンダーやレーザー加工などの機械技術も活用。

  • 3DモデリングとBIM連携:施工前の干渉チェックや加工精度向上に寄与。

手作業とデジタル技術の融合により、建築板金は“職人の勘”に頼らずとも、品質とスピードを両立できる時代へと移行しています。


5. 働き方・人材の多様化:職人だけでない新しい関わり方

建築板金の現場では、多様な人材が活躍するようになってきました。

  • 女性職人の活躍:軽量で扱いやすい材料の登場により、女性の参入が進む。

  • 外国人技能実習生・特定技能人材の増加:技術力の国際継承も始まっている。

  • 設計・管理・営業職との連携強化:板金工事を理解するゼネコンや建築士の存在も重要に。

また、YouTubeやSNSで加工技術を発信する若手職人も増え、“魅せる技術”としての価値が高まっています。


建築板金は「建物を守る」から「建物を魅せる」へ

建築板金の仕事は今や、単なる“雨仕舞い”ではありません。
素材、工法、デザイン、技術、働き方のすべてが多様化し、建築文化の一翼を担う存在へと進化しています。

匠の技と最先端技術の融合
機能性と美しさを兼ね備えた建築演出

その最前線にあるのが、今の建築板金の世界です。
これからも、暮らしや都市の未来を「金属の力」で支えていく、その進化は止まりません。

 

 

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